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13話 彼の葛藤と、触れる温もり

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-09-01 16:56:35

「あ、ありがとう、風間くん……ごめんね、いつも迷惑かけて……」

 ひよりの声は、か細く、恥ずかしそうに消え入りそうだった。彼女の視線が、悠真の顔から逸らされ、人混みの足元へと向けられる。しかし、彼女の身体は、まだ悠真の腕の中にしっかりと収まったままだった。

 悠真は、ひよりの温もりを腕の中に感じながら、このまま時間が止まってしまえばいいと願った。浴衣越しに伝わる柔らかな胸の感触が、彼の股間をさらに熱くさせる。人々のざわめきと、屋台の賑やかな音が遠のき、彼の耳には、ひよりの微かな息遣いと、自分の激しい鼓動だけが響いていた。周囲の熱気と混じり合うひよりの甘い香りが、悠真の理性を、もう限界まで追い詰めていた。

♢花火の閃光と揺れる想い

 その時、夜空に一筋の閃光が走った。ドン、と腹の底に響くような轟音とともに、大輪の花火が夜空を鮮やかに彩る。人々から一斉に歓声が上がる。悠真とひよりは、その音と光に思わず顔を上げた。

「わぁ……綺麗……!」

 ひよりの瞳が、花火の光を受けてキラキラと輝く。その輝きは、夜空の花火よりも、悠真の心を奪った。花火が上がるたび、瞬間的にあたりが明るくなり、ひよりの表情がはっきりと見える。その度に、彼女の頬の赤みが、彼の視線に焼き付いた。彼女の唇が、花火に照らされて、より一層艶めかしく見える。

 立て続けに上がる花火に、人々は夢中になっていた。その喧騒と暗闇が、悠真の理性をさらに揺るがす。彼の腕の中にいるひよりの体が、無意識に彼のほうへとさらに身を寄せる。まるで、暗闇の中で唯一の光を求めるかのように。

 悠真は、ひよりの白い首筋に視線を落とした。花火の光が、その肌を一瞬だけ照らし出し、白い陶器のような滑らかさを際立たせる。彼は、浴衣の襟元から覗く、彼女の鎖骨のくぼみに、吸い込まれそうな衝動を覚えた。甘く、柔らかい肌の感触が、すぐそこにある。

 ドオン、という特大の花火が打ち上がり、夜空全体が真っ白な光に包まれた。その瞬間、悠真は意を決したかのように、ひよりの肩を抱き寄せた。ひよりの体が、彼の胸に完全に密着する。彼女の柔らかな胸が、悠真の硬い胸板に押し付けられる感触が、浴衣越しにはっきりと伝わった。甘い石鹸の香りが、彼の全身を包み込み、頭の中が真っ白になる。

「風間くん……?」

 ひよりが、戸惑ったような声で彼の名前を呼んだ。その声は、花火の音にかき消されそうなほど小さかったが、悠真の耳には、はっきりと届いた。彼女の瞳は、花火の光を映しながら、驚きと、そして微かな期待の色を宿しているように見えた。悠真は、彼女のそんな表情を見て、自分がこれ以上、理性を保てないことを悟った。このまま、彼女をこの腕の中に閉じ込めてしまいたい衝動に駆られる。しかし、彼は、その熱い衝動を、必死で抑え込んだ。

 再び夜空に光が弾け、次の花火が上がる。その光が、二人の密着した姿を、一瞬だけ照らし出した。

♢熱を帯びる視線と消えない残像

 花火は途切れることなく打ち上がり、夜空を万華鏡のように彩り続けた。その度に訪れる閃光と闇が、悠真の心臓を激しく揺さぶる。彼は腕の中にいるひよりの温もりを、これ以上ないほど強く感じていた。人混みのざわめきが、まるで遠いBGMのように感じられ、彼の意識はひよりの存在に集中していた。

 ひよりは、悠真の腕の中に身を寄せたまま、顔を上げて花火を見上げていた。その横顔は、花火の光に照らされて幻想的な美しさを放っている。悠真は、その白い首筋に再び視線を落とした。浴衣の襟元から覗く、薄いピンク色の乳輪と、小さく尖った乳首の色を想像するだけで、彼の全身が熱くなる。触れたい、その衝動が、彼の理性との間で激しいせめぎ合いを続けていた。

「すごいね、風間くん……こんなに近くで見たの、初めてかも」

 ひよりの声が、感動に震えている。彼女の言葉の一つ一つが、悠真の心を締め付ける。その無邪気な言葉とは裏腹に、彼の体は、彼女の柔らかな曲線に密着している。帯の上からでもはっきりと分かる、その豊かさが、彼の胸を焦がした。

 悠真は、ひよりの髪から漂う甘い香りを深く吸い込んだ。夏の夜の湿った空気が、その香りをさらに濃厚にする。彼の額には、じっとりと汗が滲んでいた。それは、暑さのせいだけではなかった。彼の内側で燃え盛る情欲が、体温を異常なまでに上昇させているのだ。

 ドォン、とまた一つ、特大の花火が夜空に開いた。その光が消え、再び暗闇が訪れた瞬間、悠真はひよりの顔を覗き込んだ。暗闇に慣れた瞳が、彼女の潤んだ瞳と、少しだけ開いた唇を捉える。その唇は、花火の残像のように微かに揺らめいていた。悠真の指先が、無意識にひよりの頬へと伸びそうになる。あと少しで、その柔らかさに触れることができる。

 しかし、その指は空中で止まった。彼の理性は、かろうじて最後の砦を守っている。彼は、このままではいけないと、心の奥底で叫んでいた。この甘く、危険な状況から、逃げなければならない。

 再び花火が上がり始め、空が明るくなる。悠真は、抱き寄せていたひよりの肩から、ゆっくりと腕を離した。ひよりが、少しだけ寂しそうに、しかしすぐに笑顔で悠真を見上げた。

「まだ見たいね、花火」

 彼女の純粋な言葉に、悠真は胸を締め付けられた。彼の心の中では、花火の輝き以上に、ひよりの笑顔と、彼女の身体の感触が、鮮明な残像として焼き付いていた。この夜、悠真のひよりへの想いは、もう後戻りできないほどに深く、熱く燃え上がっていた。

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